
「植物育成ライトの代わりに、普通のLED電球を使えないだろうか」と考える方は少なくありません。
結論からいうと、普通のLEDでも植物が育つ場合はあります。ただし、植物に必要な光の量や波長が十分でなければ、日照不足を補えないことがあります。
植物育成を目的とする場合は、人の目で感じる明るさだけでなく、PPFD、波長、植物との距離、照射範囲、点灯時間を確認することが重要です。
この記事では、普通のLEDと植物育成LEDの違いを整理し、観葉植物や多肉植物、設置場所に合ったライトを選ぶポイントを解説します。
普通のLEDでも植物は育つのか
一般照明用の白色LEDにも、植物が光合成に利用できる波長は含まれています。そのため、光の量や照射時間などの条件が合えば、普通のLEDでも植物の光合成や生育を補助できる場合があります。
ただし、一般LEDは、人が室内で明るく快適に過ごすことを主な目的として設計されています。植物に届く光の量や波長のバランス、PPFDが公開されていない製品も多く、植物育成への適性を判断しにくいことがあります。
普通のLEDが明るく見えても、それだけで植物に十分な光が届いているとは限りません。自然光がほとんど入らない部屋で継続的に育てる場合は、植物育成用に設計され、PPFDや測定距離を確認できるライトのほうが選びやすくなります。
普通のLEDと植物育成LEDの違い
普通のLEDと植物育成LEDでは、主な使用目的と、製品選びの基準が異なります。
| 比較項目 | 普通のLED | LEDECOの植物育成LED |
|---|---|---|
| 使用目的 | 人が空間や物を見るための照明 | 植物への補光や室内育成 |
| 波長 | 植物が利用できる光も含むが、植物育成向けとは限らない | 植物育成を考慮した波長設計の製品がある |
| PPFD情報 | 表示されていないことが多い | 測定距離とともに表示される製品がある |
| 明るさの基準 | ルーメンやルクスが中心 | PPFD、照射距離、照射範囲も確認する |
| 照射範囲 | 室内全体や手元を照らす設計が中心 | 植物の大きさに合わせた配光を選べる製品がある |
| 照射距離 | 植物に対する使用基準がない場合が多い | 距離別の測定値や目安が示される場合がある |
| 演色性 | 製品によって異なる | 高演色の白色タイプ |
| インテリア性 | 白色光で室内に取り入れやすい | 白色タイプは植物育成と室内照明を両立しやすい |
| 電気代 | 消費電力と点灯時間で決まる | 同じく消費電力と点灯時間で決まる |
| 選びやすさ | 植物への適性を判断しにくい | PPFDや照射範囲から比較しやすい |
植物育成LEDであっても、どの植物にも同じように適しているわけではありません。植物の種類、自然光、設置距離、点灯時間を含めて判断する必要があります。
ルーメン・ルクス・PPFD・ワットの違い
ライトを選ぶときは、次の用語を区別して考えましょう。
ルーメン(lm)は、光源から出る光を、全体として放つ光の量を表したものです。数値が大きいほど、放つ光の総量が多くなります。一般照明の明るさを比較するときに使われます。
ルクス(lx)は、照らされた場所の明るさを表します。同じライトでも、光源から離れたり、光が広い範囲に分散したりすると数値は低くなります。
PPFDは光合成光量子束密度のことで、植物の葉などの表面に、1秒間・1平方メートル当たりどれだけの光合成に利用可能な光子が届いているかを表します。単位は「μmol/m²/s」です。
ワット(W)は、ライトが使用する消費電力です。ワット数が大きくても、植物に届く光が必ず強いとは限りません。LEDの効率、照射角、レンズ、植物までの距離などでもPPFDは変わります。
照度計は、設置前後の相対的な明るさを比較する参考になります。ただし、ルクスからPPFDへの換算は光源の波長構成によって変わるため、正確に確認する場合はPPFD測定器を使用します。
植物育成に必要な光の波長とは
植物の光合成で一般的に扱われる光合成有効放射、PARは、従来400~700nmの波長域を指します。
赤色光と青色光は、光合成や植物の形態形成に深く関係します。しかし、「赤色光と青色光だけがあればよい」という意味ではありません。
緑色光も葉に吸収され、条件によっては葉の内部や重なった葉の下部まで届き、光合成に利用されます。そのため、「緑色光は植物に利用されない」という説明は正確ではありません。
白色LEDは、赤・青・緑を含む複数の波長で構成されます。ただし、同じ白色に見えても波長分布は製品ごとに異なります。色温度だけで植物育成への適性を判断せず、可能であればPPFDや分光分布も確認しましょう。
白色光を主体とし、植物の育成と自然な色の見え方の両立に配慮した植物育成LEDは、リビングや店舗などにも取り入れやすい選択肢です。

植物育成LEDを使う場合の確認ポイント
植物との距離
同じライトでも、植物との距離が離れるほど、葉に届くPPFDは一般に低下します。
ただし、適切な距離は植物の種類、ライトの出力、照射角、周辺の自然光によって異なります。一律に「何cmが正解」と決めることはできません。
最初に葉全体が光の範囲に入っているか確認し、植物の成長に合わせて距離を調整します。ライトを近づける場合は、葉の変色、乾燥、高温などが起きていないかも確認してください。
照射範囲
ライトの中心部分だけが明るく、鉢の外側や下葉に光が届いていない場合があります。
一鉢を集中的に照らすのか、複数の植物を広く照らすのかによって、適した照射角は異なります。ライトの明るさだけでなく、植物全体が照射範囲に入っているかを確認しましょう。
また、定期的に植物を回転させ、満遍なく光が当たるようにしてください。
点灯時間
長時間点灯すれば、必ずよく育つわけではありません。必要な点灯時間は、植物の種類、自然光の量、成長段階、葉に届くPPFDによって変わります。
同じ光の強さでも、点灯時間が変われば植物が1日に受ける光の総量も変化します。植物の販売店やライトメーカーの案内を参考にしながら、植物の状態を見て調整してください。
毎日の点灯を一定にするには、タイマー付きコンセントやスマートプラグが便利です。夜間も点灯し続けるのではなく、植物が暗い時間を確保できるように管理します。
植物の変化
茎が細く長く伸びる、葉と葉の間隔が広がる、光の方向へ大きく傾くといった変化は、光不足を疑う目安になります。
一方、ライトを近づけた後に葉の色が抜ける、葉先が乾燥する、照射面だけが傷む場合は、光や熱の影響も確認します。
水分、温度、肥料、根の状態でも似た症状が出るため、光だけを原因と断定せず、育成環境全体を確認することが大切です。
植物育成LEDの電気代を5W~20Wで比較
電気代は、次の計算式で概算できます。
消費電力(W)÷1,000×1日の点灯時間×30日×電気料金単価
ここでは、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が示している電力料金目安単価「1kWh当たり31円(税込)」で計算します。
| 消費電力 | 1日8時間の月間消費電力量 | 1日8時間の電気代 | 1日12時間の月間消費電力量 | 1日12時間の電気代 |
|---|---|---|---|---|
| 5W | 1.20kWh | 約37.20円 | 1.80kWh | 約55.80円 |
| 9W | 2.16kWh | 約66.96円 | 3.24kWh | 約100.44円 |
| 15W | 3.60kWh | 約111.60円 | 5.40kWh | 約167.40円 |
| 20W | 4.80kWh | 約148.80円 | 7.20kWh | 約223.20円 |
実際の電気代は、契約している電力会社、料金プラン、燃料費調整額などによって異なります。また、この表はライト1灯を30日間使用した場合の計算例であり、8時間または12時間の点灯をすべての植物に推奨するものではありません。
LEDECOのBULB&PARシリーズの特徴
LEDECOのBULB&PARシリーズは、一般的な電球ソケットに使われる口金E26対応の植物育成用LEDライトです。
植物の光合成に有効な光と、室内で使いやすい白色光を組み合わせています。演色評価指数はRa95で、植物や室内の色を自然に見せやすい高演色タイプです。ただし、演色性は色の見え方を示す指標であり、植物育成性能そのものを示す数値ではありません。
消費電力は5W、9W、15W、20Wから、植物の種類、設置場所、必要な光の強さに合わせて選べます。
5W・9W・15Wには2700Kと3600K、20WのLPL20WPCには2700Kと4000Kの色温度が用意されています。20Wは36度と60度の照射角を選択でき、狭い範囲へ光を集めたい場合と、やや広い範囲を照らしたい場合で使い分けられます。
なお、5W・9W・15WのPPFDは20cm、20Wは50cmで測定されているため、公開されている数値をそのまま単純比較することはできません。
製品ごとの照度、PPFD、サイズ、重量を詳しく比較したい方は、「植物育成ライト5W・9W・15W・20Wの違い|照度・PPFDで比較」をご覧ください。
設置方法までまとめて選びたい場合は、デスクスタンドAK-54またはフロアスタンドST-184とライトを組み合わせた植物育成LEDライト・スタンドセットも用意されています。
植物と設置場所に合ったライトを選ぼう
普通のLEDでも、植物が利用できる波長と十分な光量があり、距離や点灯時間が適切であれば、生育を補助できる場合があります。
植物育成LEDを選ぶときは、ルーメンやワット数だけで判断せず、PPFD、測定距離、照射範囲、波長、点灯時間を確認してください。
植物の種類や置き場所に合ったライトをお探しの方は、LEDECOの植物育成LEDライトとスタンドセットをご確認ください。
参照元
● LEDECO
BULB&PAR(口金E26)
植物育成ライト5W・9W・15W・20Wの違い|照度・PPFDで比較
● 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
よくある質問Q&A・電力料金目安単価
● 政府広報オンライン
節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは?
● K. J. McCree
The action spectrum, absorptance and quantum yield of photosynthesis in crop plants
● Terashima, I.ほか
Green light drives leaf photosynthesis more efficiently than red light in strong white light

