
室内で植物を育てていると、「窓辺に置いているのに元気がない」「新しい葉が小さい」「茎が細く伸びて形が崩れてしまう」といった変化が見られることがあります。
植物の生育には、水や温度、風通し、用土など複数の条件が関係しますが、室内栽培で不足しやすいものの一つが光です。部屋が明るく見えていても、窓から離れるほど植物に届く光は少なくなります。また、建物の向きや季節、カーテン、周囲の建物などによっても日照条件は変わります。
このような場所では、植物育成LEDライトを補助光として使用する方法があります。20WクラスのスポットタイプLPL20WPCは、照射角が36°/60°、色温度が2700K/4000Kの4タイプをラインナップしています。36°は限られた範囲へ光を届けやすく、60°は鉢植えを数株育てる場合や、日当たりが不足しやすい場所を補う場合に向いています。
ただし、植物の種類によって必要な光量は異なります。ライトの設置距離や照射時間も、すべての植物に共通する正解があるわけではありません。
今回は、20Wタイプの植物育成LEDライトを活用しやすい植物を5つに分け、照射角や距離を調整するときの考え方を紹介します。
1.多肉植物

アガベやエケベリアなどの多肉植物は、室内でも育てられる植物として人気があります。乾燥に比較的強い種類が多い一方、良好な姿を保つには十分な明るさが必要です。
光量が不足すると、葉と葉の間隔が広がったり、茎が細く伸びたりする「徒長」が起こることがあります。エケベリアのように葉が放射状に広がる植物では、ロゼットの形が緩み、本来のまとまりが失われることもあります。
1鉢を中心に照らす場合は、光がまとまりやすい36°の照射角が使いやすいでしょう。ライトの中心と植物の中心が大きくずれないように設置し、鉢全体へ光が当たっているか確認します。
色温度は、光の色合いを表す数値です。2700Kは温かみのある光、4000Kは白くすっきりした光に見えます。色温度だけで植物の育ち方が決まるわけではないため、植物に届く光量や設置環境とあわせて選ぶことが大切です。植物の緑や形を自然に観察したい場合は、4000Kが取り入れやすいでしょう。
設置時は、最初から近距離で長時間照らすのではなく、50cm前後の距離から始めます。葉の色や乾き方を数日ごとに確認し、必要に応じて少しずつ距離や照射時間を調整してください。
設定の目安
照射角:36°
色温度:4000K
設置距離:40~50cm程度から調整
照射時間:1日10~12時間程度から開始
2.観葉植物

モンステラやフィカスなどの観葉植物は、室内インテリアに取り入れやすく、比較的明るい日陰に適応できる種類もあります。ただし、「耐陰性がある」ことと「光がなくても育つ」ことは同じではありません。
日照不足が続くと、新しい葉が小さくなったり、葉柄や茎が光の方向へ長く伸びたりすることがあります。葉が黄色くなる場合は、光不足だけでなく、水の与え過ぎ、根詰まり、低温なども考えられるため、植物全体の状態を確認しましょう。
葉が広がる観葉植物には、照射範囲の広い60°タイプが向いています。1点だけを強く照らすのではなく、株全体へ光が届く位置を探します。大型の葉が重なっている場合は、上部の葉によって下部が暗くなっていないかも確認してください。
2700Kの光は落ち着いた室内照明と合わせやすく、リビングや寝室などに取り入れやすい色合いです。4000Kは葉の状態を確認しやすく、昼間のような明るい印象になります。どちらを選ぶ場合も、植物に届く光量を確保することが重要です。
高演色タイプの白色LEDは、葉や鉢の色を比較的自然に見せやすいことも特徴です。ただし、演色評価指数は物の色の見え方を示す指標であり、数値の高さだけで植物の成長量が決まるわけではありません。
設定の目安
照射角:60°
色温度:2700Kまたは4000K
設置距離:40~60cm程度から調整
照射時間:1日8~12時間程度から開始
3.サボテン・塊根植物

サボテンやパキポディウム、ユーフォルビアなどには、自然環境で強い日差しを受けて育つ種類が多くあります。そのため、室内で管理すると光量が不足しやすく、成長部分が細くなったり、光の方向へ傾いたりすることがあります。
コンパクトな株を個別に照らす場合は、36°の照射角を選ぶと光を集めやすくなります。ただし、光を必要とする植物でも、暗い場所から急に強い光の下へ移すと、葉焼けや変色が生じる可能性があります。
購入直後の株や冬の間に暗い場所で管理していた株は、ライトとの距離を広めに取り、短めの照射時間から始めてください。その後、植物の様子を見ながら段階的に光へ慣らします。
また、サボテンや塊根植物の健康状態は、光だけでなく、気温、水やり、休眠期、風通しにも左右されます。光を強くしたからといって、水やりの回数を一律に増やすのは避けましょう。用土の乾き方と植物の生育期を確認して管理することが大切です。
設定の目安
照射角:36°
色温度:4000K
設置距離:30~40cm程度から調整
照射時間:1日10~12時間程度から開始
4.ベビーリーフや葉物野菜

ベビーリーフなどの葉物野菜は、深い鉢を必要としないものが多く、室内で栽培を始めやすい植物です。栽培容器の大きさに合わせてライトを設置できるため、スポットタイプの植物育成LEDライトも活用できます。
光が不足すると、茎が細く伸びて倒れやすくなったり、葉の色が薄くなったりすることがあります。発芽直後は、苗が一方向へ傾かないよう、できるだけ上から均等に光を当てましょう。
横長の栽培容器や複数の小さなポットを照らす場合は、60°の照射角が使いやすくなります。ただし、容器の端まで光が届いているかを確認し、照射範囲から外れる場合は容器の位置や向きを調整してください。
ラディッシュは葉をベビーリーフとして収穫することもできますが、根を十分に肥大させたい場合は、光だけでなく、株間、用土の深さ、温度、水分管理も必要です。室内では季節や室温によって生育速度が変わるため、種子の栽培表示も確認しましょう。
食用として育てる場合は、清潔な容器と適切な用土を使用し、風通しを保つことも大切です。水耕栽培では、水の濁りや根の状態を確認し、衛生的に管理してください。
設定の目安
照射角:36°
色温度:4000K
設置距離:50cm程度から調整
照射時間:1日12~14時間程度から開始
5.挿し木で増やす観葉植物やハーブ

観葉植物やハーブを挿し木で増やす際にも、植物育成LEDライトを補助光として活用できます。挿し穂は根が十分に形成されていないため、強過ぎる光を当てると葉から水分が失われやすくなります。
挿し木では、強い光を当てることよりも、明るさを安定させながら乾燥を防ぐことが重要です。60°の照射角で広めに照らし、成長した株よりも距離を取って管理するとよいでしょう。
発根には、植物の種類に合った温度、湿度、用土の水分、挿し穂の状態なども関係します。植物育成LEDライトそのものが発根を保証するものではありません。また、LEDライトの光だけで用土を温めることは難しいため、室温が低い時期は置き場所にも注意してください。
ローズマリーのように蒸れを嫌う植物では、湿度を高くし過ぎず、風通しを確保します。一方、乾燥しやすい葉を持つ観葉植物では、挿し穂がしおれていないかをこまめに確認しましょう。
設定の目安
照射角:60°
色温度:2700Kまたは4000K
設置距離:50~60cm程度から調整
照射時間:1日8~12時間程度から開始
36°と60°はどのように使い分ける?
36°は光が比較的狭い範囲に集まるため、1鉢を中心に照らしたい場合や、強めの光を必要とする植物に向いています。一方、60°は照射範囲が広く、葉が横へ広がる観葉植物や、複数の小鉢、栽培トレーを照らす場合に使いやすい角度です。
同じ消費電力のライトでも、照射角が狭いほど中心部分の光は強くなりやすく、広角になるほど広い範囲へ分散します。そのため、単純に「狭角のほうが優れている」「広角のほうが植物にやさしい」と判断するのではなく、植物の大きさと置き方に合わせて選ぶことが大切です。
ライトを近づけると植物に届く光は強くなりますが、照射範囲は狭くなります。反対に、離すと照射範囲は広がりますが、植物に届く光は弱くなります。距離を調整する際は、明るさと照射範囲の両方を確認しましょう。
植物育成LEDライトを使う際の注意点
植物育成LEDライトを導入しても、水やり、温度、風通し、肥料などの条件が合っていなければ、植物の状態が改善しないことがあります。光だけを調整するのではなく、栽培環境全体を見ることが重要です。
照射時間を管理するときは、タイマーを利用すると毎日の点灯と消灯を一定にできます。植物には暗い時間も必要なため、原則として24時間連続で点灯することは避けましょう。
ライトを設置した後は、葉の退色、茶色い斑点、葉先の乾燥、用土の乾く速さなどを確認してください。異常が見られた場合は、ライトを少し離す、照射時間を短くするなどの調整を行います。
また、屋内仕様のライトは、水がかかる場所や湿度の高い場所では使用できません。水やりや霧吹きをする際は、ライトやソケットに水が付着しないよう注意してください。電球の交換や清掃は、必ず電源を切り、十分に冷めてから行います。
対応していない調光器や密閉型器具に取り付けると、誤作動や発熱につながる可能性があります。使用する照明器具の口金、耐荷重、対応消費電力、使用条件を事前に確認してください。
20Wタイプの植物育成LEDスポットライトは、多肉植物、観葉植物、サボテン・塊根植物、葉物野菜、挿し木など、さまざまな室内栽培の補助光として活用できます。
大切なのは、植物の種類に合わせて照射角、距離、照射時間を調整することです。この記事で紹介した設定は固定された正解ではなく、使用を始める際の目安です。
最初はライトを少し離した状態から始め、植物の葉色や茎の伸び方、用土の乾き方を観察しながら調整してください。自然光を利用できる場所では、自然光と植物育成LEDライトを組み合わせることで、季節による日照時間の変化も補いやすくなります。
室内の日照不足が気になる場合は、植物の置き場所と育て方を見直したうえで、植物育成LEDライトを取り入れてみてはいかがでしょうか。
下の図はLPL20WPC 4タイプの距離別照度を比較しています。植物に合わせた照度設定の際に、目安としてご覧ください。


